時代変化を読む:周回遅れのランナー、宮本武蔵

 家康が250年の江戸時代を建設できたのは、

時代変化を的確に読んだからだ。

その変化とは、

「戦争の時代は終わり、これからは平和な治世の時代だ」

ということ。

1590(天正18)年夏、秀吉は関東を家康に与え、体のいい「所払い」をした。

その代わりというわけではないが、当時徳川が所轄していた駿河、

遠江(とおとうみ)、三河(みかわ)、甲斐、信濃は全部差し出せと命じた。

実質、左遷である。

関東の中で、どこに拠点を置くか。

家康が目をつけたのは江戸である。

江戸は当時、水はけが悪く、作物が十分採れない不毛の地だった。

戦(いくさ)の時代は終わった。

これからは領地で作物がいっぱい採れるようにし、年貢をたくさん

納めてもらうようにしよう。

家康のビジョンを実現するために必要な人材は、戦に強い

侍ではなく、作物の収量を増やすことのできる能吏だった。

計量に秀でた伊奈忠次を抜擢した。

伊奈は、利根川が関東北部(いまでいう埼玉県や群馬県)の雨を集めて

下流の江戸を水浸しにするのなら、川そのものを曲げてしまえばいい、

という大胆な策を取る。

現在の利根川は北から流れて、大きく東、東京ディズニーリゾート

方面へフックしている。それが、伊奈の仕事だ。

 おかげで、江戸は繁栄した。

 宮本武蔵は、時代に置いて行かれた人だった。

あの時代、もはや「武術に長けた人」は不要だったんだ。

周回遅れのランナー。

時代変化を的確に味方につける。

これがいつの時代も大事。

では、現代はどんな変化を味方につけると良いのか。

主語をI(一人称単数)からWe(一人称複数)へ

「オレ、儲けたい! ひたすら、オレだけが儲けたい。

競合する会社、ぶっ潰す!」

という主語が一人称単数な商売のあり方から、

「みんなであの山登ろうよ。楽しいよ。きっと。

お互い、できることをやって。収穫した

ものは、みんなで分け合おうよ」

クラウドファンディングも、これだよね。

みんなでシェアできる何か楽しいことがあったら、

人は動く。

命令・強制・動機づけ(って可能なのか本来?(笑))

つまり他動では人は動かない。

先に何か希望の光やJOY(楽しさ)WOW(感動)

が見えたとき、人は自動で動く。

自動とは、自分の意思で動く、

ということ。

何か「コト」を起こしたければ

「協力してよ。これだけ支払うから」

で協力者を募ってもだめだ。

「えっ!? 何それ。面白そう!!」

と、話を聞いた相手が思わず膝を乗り出すような、

魅力的な企画。

そうなったら彼や彼女は共犯者になってくれる。

そう、共犯者を、増やす。

JOYWOWな共犯者。

一緒に楽しめる「みんな」。

それが、今の時代だよ。

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