「あなたも講師になれる!」VOL.5
今日もエクササイズをやってみよう。
テーマは「呼吸」。
ぼくの講演を聞いた人はわかると思うけど、マイクを使わない。
それでもきっちり、部屋の隅まで届く。
理由は、腹式呼吸で発声しているから。
発声については別の回に話しますが、企業研修などで10時間延々
話し続けても、全く声が嗄れない。むしろ、後半のほうが声がよく伸びる。
これは自慢できる。
この発声ができるのは呼吸が秘訣だ。
腹式呼吸をせずに話している人は、口の中だけで声を出している。
だから、こもってしまって、声が開かない。
開く声と、閉じた声があって、オーディエンスにしっかり届くのは
開いた声だ。そして開いた声を出すためには、腹から声を出す腹式呼吸が
必須なのである。腹式だと声を響かせることができる。

現代日本人は呼吸が浅い。
ここでちょっと肺についてお勉強しよう。
肺は釣鐘のように、上から下へ広がった形状をしている。
医学用語で、肺の上部を「肺尖(はいせん)」、下部を「肺底(はいてい)」と
呼ぶ。普通の日本人が深呼吸をしたといっても、せいぜい肺尖あたりで
呼吸しているにすぎず、肺底までは酸素が届いていないそうだ。
肺はガス交換ステーション。
つまり、身体の外部から取り込んだ新鮮な酸素と
血液を乗り物として全身をめぐり不要になった二酸化炭素を交換する
ステーションなんだ。
肺の中には肺胞(はいほう)と呼ばれる直径0.1ミリほどの小さな袋が
ぎっしりとつまっている。その数左右合わせて3億個。この肺胞に空気が
入ることで肺がふくらむ。
肺そのものの表面積は1.5M2弱だが、肺胞全体の表面積を合計すると
70M2にもなる。つまり、座布団一枚と3DKのマンションくらいの違いが
出てくるわけだ。
肺の容量は片側で3,000cc。両方で6,000cc。
これを目いっぱい使いきることのできるのが腹式呼吸だ。
では、なぜ、腹式呼吸だと肺底まで空気をしっかりとりこめるのかというと、
横隔膜の上下運動をしっかりできるから。

・・・っておや? 長くなっちゃったね。いったんここで切ろう。
つづきは明日。
呼吸はとても大事だから、ゆっくりいこうね。

Walking中に出会った逗子マリーナ近所の昼寝猫。猫も腹式呼吸するのかな

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