現在大丸で開かれているミニチュアライフ展。

老若男女がスマホ片手に集まっていた。

タイトルバックに使われたドラマ『ひよっこ』が

今日最終回ということもあるのだろう。

ごった返す会場を眺めながら、企画を年齢で切ることの無意味さを

再認識する。

老いも若きも集まっている。

では、どういう切り口で企画すればいいかというと、

マイクロインタレストだ。

田中達也さんの作品に人が集まるのは、その着想にニヤリとさせられるから。

たとえば、この作品のタイトルは「夏の新色ムスメ」。

化粧品パレットというのが面白い。

田中さんは2011年4月からコツコツと作品をインスタに投稿しつづけてきた。

当時鹿児島の製作会社でデザイナー、アートディレクターをしていた。

2013年の写真集出版をきっかけにミニチュア制作の仕事依頼が来るようになった。

だんだん仕事との両立が難しくなってきた。子育てもしたい。

そこで2015年、独立。

田中さんのインスタはここ(←)

877,000人のフォロワー。

ということは、877,000人のエコシステムを持っているということになる。

877,000人に何かメッセージを届けたければ、かつては広告代理店に巨額の

お金を支払わなければならなかった。

しかし、田中さんは毎日インスタへ投稿することでブレイクした。

ゲームには有限ゲームと無限ゲームがある。

野球やサッカー、政治(永田町、熱くなってるね)、戦争、かつてのビジネスが

有限ゲームだ。

無限ゲームの例をポール・ホーケンの著作から引用しよう。

ポトラッチ、家族、サンバ、祈り、文化、植林、物語の読み聞かせ、

ゴスペルを歌うこと。

ぼくはこれにクラの儀式を加えたい。

ポトラッチは宴会を開いて、豪華な贈り物をする。

クラはプレゼントをぐるぐる渡し合いしまくる。

部族間の戦をなくす装置になるのだ。

SNS時代のモノの売り方は、こうだ。

新作『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる』から引用しよう。

「売り方」というより、「広め方」のほうが正しいのだけど。

 
  1. 売る前に、あなたのビジョンに対する共感を接着剤にしてエコシステムを作る
  2. どんな共感や喜びを循環させるのかイメージする
  3. それを果たす力をもった商品を開発する
  4. その商品をエコシステムにそっと置く
  5. 自然に広がり、口コミされ、商品が共感ウィルス化する
  6. 届くべき人の元に届いていく
田中さんのミニチュアカレンダーの広まり方で注目したいのは、
 
ただ毎日投稿、というだけではダメだということだ。
 
 
クオリティが高くないとダメ。
 
小さく、狭く、濃く、高く、コツコツと。
 
これがコツである。
 
当初は手応えがなくて不安に思うかもしれない。
 
でも、不安はあなたの脳が勝手に生み出したフィクションに過ぎない。
 
一方、投稿という行動は現実である。ノンフィクションだ。
 
どちらが結果を呼び込んでくれるか。
 
言うまでもない。
 
不安ではなく、行動だ。