リンゴ・スターが、ポールは1966年に交通事故で

亡くなっていて、そのあとは替え玉だったとメディアに

発表して話題になっている。

この話、ブランド的アプローチをしてみる。

結論から言うなら

「替え玉であろうとなかろうと、どっちでもいい」

である。

ブランドは、顧客の頭脳の中に生まれる。

頭脳の中にしか、生きられない。

『南アルプス天然水』というブランドは、

日本あるいは日本で住んだことのある人の頭脳の中に

だけ生きられるブランドであり、ドバイ人にはブランド

としては成立しない。

つまり、製品・サービスの「中」にブランドはなく、

顧客の頭脳の中にだけ存在可能な「情報」なのである。

「ポール・マッカートニー」というブランドは、

ポール・マッカートニーという人間の肉体の中に

あるのではなく、ファンの頭脳の中にだけ存在する。

だから、1945年のイギリス人の頭脳の中にはブランドとして

像を結ばないし、1901年の日本人の頭脳の中でも同じく、

存在し得ない。

2015年3月6日の今日でも、ポール・マッカートニーを知らない

人の頭脳にはブランドとして存在しない。

もし現在のポールが替え玉としよう。

それでも、「ポール・マッカートニー」ブランドを

きちんと引き継ぎ、『マジカル・ミステリー・ツアー』の

アイデアを出したり、『サージェントペッパー』のコンセプト、

『アビーロード』の曲の大半を作詞作曲演奏歌唱したことは

素晴らしいと思う。

『サムシング』のベース、魔法のようだし。

『オー・ダーリン』のボーカル、アカンほど凄みあるし。

替え玉氏は、完璧に「ポール・マッカートニー」ブランドを

構築したと思う。

同窓会コンサート(→クリック!)

の人たちは、ブランドではなく、1人の人間として

過去のブランドを利用して生活している。

もはや彼らの名前は「名前」でしかなく、「ブランド」ではない。

ポールの替え玉氏のすごさが、わかる。

この話、ブランド・ジーンからアプローチしても面白いのだけど、

それは本に書きます。

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