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「用意した弁当が好評ですべて売り切れちゃいました。
お弁当はここから10メートル先のファミリーマート
さんにまだあるとのことです。大変申し訳
ございませんが、ファミマさんでお求めいただけますか」

「何の弁当があるんですか?」

「はい。少々お待ちください・・・(画面を見て)。
 夏野菜弁当と、海苔弁当、ジューシーとんかつ弁当
 がそれぞれ2個ずつございます」

「ありがとう」

このように、セブンイレブンとファミリーマートは自立連帯型
企業群として、地域の生活者の生活に貢献する。

仮にお弁当が余っちゃった。
消費期限が過ぎても常識的にまだ食べられる。
地域の「困っている人たち」に無償でさしあげる。

「そういうことをすると自立の妨げになるのではないか」
と目をつり上げるNPOがいたが、自然に立ち消えになった。

なぜなら、支援してもらった「困っている人たち」は、
コンビニからもらった善意に、自分の善意で返そうと思い、
近隣の清掃や安全パトロールを自らすすんでやるようになった
からである。それをきっかけに社会復帰を果たす人が後を絶たない。

夢物語だろうか。

「だれも喜ばない」「何の価値も創造しない」「地域への貢献
ではなく、自社のエゴ、競争原理のためだけに」
弁当廃棄損失補てんで100億円使うより、よほど良いと
考える。

そしてこれが、ビジネス2.0のあり方だ。

  *写真は、日経新聞2009年6月24日版