「デニムをご購入いただき誠にありがとうございます。
 
穿き心地はいかがでしょうか(?)」
 
 
何もない普通の官製はがきに全部手描き。
 
さぞ手間がかかったんだろうなあ。
 
写真貼り付けて。
 
色つけたりして。
 
すごいなあ。
 
でも残念なのは
 
オレじゃないことだ。
 
デニム買ってない。
 
南青山のこの店、行ったこともない。
 
グーグルマップの画像で見たが、ひょっとしたら、
 
ZOE美紀さんとこ行ったついでに
 
かすったかもしれないくらい記憶が薄い。
 
ハガキ左上に「**様」とあるが、これ、
 
「阪本様」じゃなく別の人の名字。
 
で、宛名を見るとオレの名前、オレの自宅住所。
 
自宅住所を書くことは滅多にないので、珍しい。
 
自宅住所がどこから流れたのか気持ち悪くなったので調べた。
 
どうやら、この店のグループ会社のブランドが
 
大阪ブリーゼブリーゼにあり、そこで何年か前ジャケット買った。
 
その時ショップカード作るときに書いたことを思い出した。
 
グループで顧客情報を共有しているとわかった。
 
ビジネス2.0では「商品とお金の交換」から脱皮し、
 
浮気な「顧客」も捨て、
 
「ファン作り」へと進化する必要がある。
 
つまるところ「関係性の耕し」にフォーカスしないとあかん。
 
その意味で、これを書いた人は合ってる。
 
でも、一番問題なのが、
 
「ハガキを手描きで熱心に作ることが風景になっている」
 
ことだ。
 
つまり、日常過ぎて、わからなくなってる。
 
見えなくなってる。風景。
 
あまりに気の毒な徒労なのでさまざま試した。
 
「ハガキ、**さんに届いてないよー」と伝えたくて。
 
QRコードでインスタに飛んだら
 
「このアカウントは使われておりません」
 
WEBに飛んだら商品写真しかなく、連絡先がわからない。
 
電話番号、どこにもない。
 
手描きでハガキ作品作るなら、一番肝心なのは連絡先だ。
 
電話でもメールでもLINEでもいい。
 
「LINEオンラインショッピングサポート実施中」
 
と手描きされているが、どこへ飛べばいいのかわからない。
 
この人にとって、仕事が風景になっているのだ。
 
このショップの未来が、見えた。