コロナはおそらく3年続く。
 
「コロナちゃんといっしょ」な時代の商売のあり方は
 
「賢い」「クールでかっこいい」「高級」 → ✕
 
いずれもバツ。
 
「オモロイ」「人間くさい」「共感できる」「応援したい」→ ◯
 
この5月、飲食店にとって一番しんどい時にオープンした
 
ワインとイタリアンの店がある。
 
通勤途上。
 
昨日たまたま「ワインでも買って帰るか」と思ったところに通りがかった。
 
寄ってみよう。
 
入るとすぐ広いワインセラー。
 
狭い通路を入ると店のオーナーが顔を出した。
 
「いらっしゃい! どうぞどうぞ!」
 
「冷えたスパークリング、あります?」
 
「もっちろん! どうぞ、こちらです」
 
ワインセラーへ。
 
「どういったものを」
 
「辛口がいいです」
 
「ここ全部辛口です。そちらがフランチャコルタといいまして・・・」
 
「あ。なるほど。フランチャコルタなんですね」
 
「今日は暑いですからねー。フランチャコルタの中でも
 
一番すっきり系の飲み口です。どんなお料理と合わせるんですか?」
 
・・・
 
と楽しいやりとりがあり。
 
お会計。
 
「大変なときにオープンしはって。
 
ずっとお邪魔しようと思っていたんですよ」
 
「ホンマですわー! エラいときに店始めてしまいまして。
 
是非今後ともよろしくお願いします! 
 
これ、うちのカードなんで、もしよろしかったら」
 
「テイクアウトはあるんですか?」
 
「もちろんです! こちらメニューです」
 
「また今度お願いします」
 
「ありがとうございます!!」
 
聞けば、オーナーシェフ、20代の頃からずっとミラノで働いていて、
 
このたびようやく故郷に戻って開店したそうな。
 
「なので、うちの味、ミラノ風なんです。是非一度お試しくださいね」
 
・・・以上全部ウソである。
 
実際は、対話らしい対話がなく、オレは自分でワインを選び、
 
包んでもらって、店を出た。
 
テイクアウトは店で出してるメニューをお持ち帰りなので、
 
「フォアグラは近い距離でないと無理です」
 
不勉強。
 
テイクアウトから逆算してメニュー作るのが
 
「コロナちゃんといっしょ」なレストランの鉄則だ。
 
ショップカードは置いてあったが、渡そうともしないし、
 
カード決済したけど控えが出ないシステムだったので、
 
結局、店の名前を知らない。
 
オレという「1人」をつかまえることにフォーカスする。
 
オモロイ
 
人間臭い
 
共感できる
 
応援したくなる
 
泥臭さ、つまりAI(人工知能)にはとうていできないこと。
 
南山鉱泉所にあれだけみんなが共感するのは「好き!」
 
という気持ちだけがガソリンだから。
 
AIには出せない行動だから。
 
今朝前を通ったので店の名前を確認し、
 
「インスタとフェイスブックやってます」
 
という僅かな情報を頼りにアクセスしてみたら、
 
インスタは「非公開」、
 
フェイスブックはおすまし姿勢でワインの
 
写真ばかり投稿している。
 
「コロナ前」ならうまくいったかもしれない。
 
しかし、ワインとイタリアンの店など、
 
星の数ある大阪で、「残る」のは難しいだろう。
 
明らかに不勉強である。
 
昨日買ったワインは美味しかった。
 
でも、店の名前を覚えてないから、ポイント稼いだのはワインであり、
 
ワインならネットで買える。店には1ポイントも入ってない。
 
繰り返すね。
 
コロナちゃんといっしょな商売のあり方は
 
「オモロイ」
 
「人間くさい」
 
「共感できる」
 
「応援したい」
 
間違っても気取ったり、えーかっこして
 
「おすましちゃんりん」したらあかんで!
 

暑いので今日から別荘にいますウソです