ニューヨーク「ジャピオン」誌(→)コラムを書いていて

直観について考えているうち、そうだそうだ、ぼくが直観に助けられた

のはいまに始まったことではないと気づいた。

そう、あれはちょうど14年前のゴールデンウィークだった。

ユニオンスクエア北のバーンズ&ノーブル書店(→)

へ時間つぶしで入り、2階ビジネス書コーナー平積みになっている

セス・ゴーディン『Permission Marketing』表紙に「じぇじぇじぇ!」と

衝撃を受け、それからが面白いのだが、座り読みを始めて瞬間的に

「この本はぼくが翻訳するべきである」

と「ふって」きたのだった。

当時のぼくは原書をアタマからシッポまで通読したこともなければ、

もちろん翻訳経験もない。

そもそも本さえ出したことがない。

しかし、「直観」の教えることに障害は出ないのだ。

版権は空いてるし、トントン拍子にコトが運び、ベストセラーに

なって(アマゾンが日本市場に進出するのは翌2000年である)、

ぼくの独立の後押しをしてくれた。

結果的にこのときのゴールデンウィーク・ニューヨーク旅行が翌年の

起業につながるのだが(起業時ニューヨークに顧客はゼロだったのだけど)、

そもそもなぜニューヨークに旅行しようとしたかというと、前年1998年の年末、

シリコンバレーに行ったことが契機だ。

サンフランシスコで忘年会をやろう、というアホな企画を立て、メルマガSurfin’読者に

参加を募ったところ、3人から手が挙がった。いずれも当時サンフランシスコに住んでいた

人たち。うちの1人、Kさんと「またどこか旅行しましょうよ」と話がまとまり、

行き先は「行ったことないからニューヨークで」と決めた。このときも、相談メールを

やりとりしている画面を見ながら、「ニューヨーク」がふってきたのだった。

で、なぜシリコンバレーに行ったかというと、トム・ピーターズに会いに行ったのである。

なぜか。

会いたかったから(笑)。

当時はまともなウェブサイトなんてないから、何かで取り寄せたトム師匠の会社のパンフレット

で住所を知った。パロアルトのハミルトン通り。

Googleストリートビューなんてもちろん、ない。

とにかく行けばなんとかなるだろう。

行って、ピンポンした。アポなんてない。

それからの経緯は長くなるので割愛するが、要は「会いたい!」と直観がふってきたから。

振り返れば、『Permission』翻訳にせよ、ニューヨークへの旅行にせよ、トム師匠オフィス訪問

にせよ、「できない理由」は論理的に考えれば各1ダース以上、簡単にスラスラ出てきたはずだ。

ニューヨークでの起業もそうだ。顧客ゼロ、退職金80万円、英語話せない・・・

「起業がうまくいく理由」なんて、どこをどうひねっても論理的に出てこない。

直観で生きるほうが、どれだけ楽しいか、どれだけ実り多いか、というお話でした。

直観を信じよう! ふってきたアイデアに、乗ってみよう。

夜の9時なのに、この明るさ (独立した2000年)

夜の9時なのに、この明るさ (独立した2000年)