ぼくは「わかりやすい説明」には納得しない。

ハーレーダビッドソンジャパン奥井俊史・元社長も同趣旨のことを

著作で書いておられる。

たとえば、

「冬だから、雨が多い梅雨だから、ハーレーが売れない」

といった「売れない理由」である。

実際には、ハーレーは冬でも、梅雨でも、しっかり売れる。

『HERB & DOROTHY 50×50』(→)を観ていて、同じような

場面に出くわした。

残念ながら閉館になってしまったラスベガス美術館理事長がこう言っていた。

「アートはラスベガスに合わないのかもしれない。

ここはしょせん、カジノとギャンブルとネオンの街なのかも」

ぼくは「そうかなあ」と思った。

「それでも、やりようがある」と思いながら見ていた。

すると、さすが佐々木芽生監督(→)

次に、ホノルル美術館長

Stephan Jostさんの、次の言葉を紹介している。

「アートはLAやNYに集めればいいという考えは

非常に近視眼的だ。

文化の発展には最も保守的な部分を解き放たなきゃいけない。

いくら都会で前衛芸術が盛んでも

他の文化が置き去りなら変化は訪れない。

アートにはその力がある。

特にこのコレクション(阪本註:ハーブ&ドロシーのコレクション)

は変化を引き起こすだろう」

「ホノルルとアート? 似合わないよなあ」

と言ってしまえば、それはそれで「わかりやすい説明」だ。

Stephan Jost館長、いいね!

*ちなみに『HERB & DOROTHY 50×50』

プレス視聴専用DVDを特別に鑑賞させて戴く機会を得たので、

公開より一足先に観ることができた。

この映画はクラウドファンディングを活用している。

キックスターター(→)で5.5万ドル目標に対して87,331ドルを、

日本のモーションギャラリー(→)で1,000万円目標に対して850人

14,267,703円を集めて話題になっている。

モーションギャラリーは好評のため2月末まで延長されたので、

まだコレクターになれる。

公開が楽しみな映画だ。