いまも旭化成を辞めず残っていたらどんな人生になっていたろう。

だれも考えることがあるんじゃないかな。

あのとき、右に曲がっていれば、いま、だれとどこで暮らしているんだろう、と

考えること。

この映画「Sliding Doors」

Sliding Doors

Sliding Doors

ヒロインは、駆け込む地下鉄のドアに間に合う人生と間に合わなかった人生、

二つを生きる。

ぼくたち観客は「神の目」でそれを楽しむ趣向なのだが、後半怒濤のように二つが

入り交じり、油断しているとわからなくなる。しかしそれこそ監督の意図なのだ。

ネタバレになるから詳細は書けないが、「なるほどなあ」と思わせる結末。

結末を観たあと、もう一度、自分の人生を振り返ると、より味わいが深まる。

理由は・・・とそれもネタバレになるので書けない。もどかしいなあ。

ちょっとだけ書くと、要するにこのヒロイン・ヘレンは、depends on someone (him)な生き方

なのである。それはどっちの人生を生きようと変わらない。

つまり、右に行こうが、左に曲がろうが、あなたはあなたで、生きるプリンシプルは

変わらないのである。

しかし。

それでいいのか?

ぼくはどうだろう、と考えた。

旭化成を辞めようが、辞めまいが、変わらないものって、ある。あるね。

でも、大きく変わったものも、ある。たしかに、ある。

なんてね。

この素敵な映画を教えてくれた橘紀子さんに感謝!

考えるのにぴったりの作品です。1997年のちょっと昔の映画だよ。

「ケータイがあるやろ!」と観ながらツッコミ入れてたが、当時はまだ

あまり普及していなかったのだろうね。特にイギリスではね。

それにしてもこのヒロイン、Gwyneth Paltrow、途中からメグ・ライアンに

見えてきた。特にYou gotta mailのメグの動きをマネしてるのかなと

思ったが、製作はこっちのほうが先なんだね。この読めない名前のヒロイン、

いまも活躍しているのだろうか。