彼らのしたことは地域における外食人気の高まりに「賭け」をしただけ

であって、何ら新しい満足をもたらしたわけでもない。企業家精神を発

揮したとも言えない。単に新しく商売を始めた、というに過ぎない。

They gamble on the increasing popularity of eating out in their

area,but create neither a new satisfaction nor entrepreneurs

even though theirs is a new venture.

— Innovation and Entrepreneurship (p.21)

『イノベーションと企業家精神』より 翻訳は阪本

この話の前段は、「ある夫婦が、デリなり、メキシカンレストランなり

のお店を始めた。では、彼らは企業家と呼べるだろうか?」という問い

です。

ビジネスの出発点は、当然のことですが、始めた側の動機でスタートしま

す。ビジネスの始まりは、「だれからも頼まれていないのに始める」で

す。

動機は「お金を儲ける」でもいいし、

「オレのこのとびきりうまいカレーうどんをみんなに食べてもらいたい!」

でもいいです。

しかし、それではビジネスは完成形とはいえず、半分。

残り半分のピースは、「顧客の欲求の充足と満足」です。

二つのピースがぴったりはまってはじめてビジネスは完成します。

この、残り半分がない、あるいは、

「ビジネス側の動機」と「顧客の欲求の充足と満足」との間に不等号が

できてしまうと(どっちに不等号の向きが向こうと)、ビジネスは育ち

ません。

この二つのピースのバランスをうまく取ることこそが、マネジメントの

本質です。

円をイメージしてください。そして真ん中にタテ線を引く。

両方の大きさが同じでないと真円になりません。

これをビジネスのマネジメントボールといいます。

真円に、しましょう。

*JOYWOWメルマガ 2010年9月22日発行・第107号 より転載、一部加筆

しました。