映画『#真相をお話します』とNetflix『新幹線大爆破』立て続けに観た。
共通していたのは、人間と人間ではなく、間に「デジタルネットワーク」が入ってそれが意思決定していることだ。
これはユヴァル・ノア・ハラリ『Nexus』のテーマであり、これまでは人間と文書(書いたもの)のNexus(連鎖)がさまざまな問題を引き起こしてきたのが、これからはAIとAIのNexus、そこに人間が入る余地が消える。AIが支配者となる。それでいいのか? というのがハラリの主張。
これはもう現実化していて、今朝のNewsPicks記事
【SEO壊滅】AI検索が、マーケティングの常識を破壊している
https://newspicks.com/news/14118689/body/?ref=user_915269
米HubSpotへのトラフィックがこの半年で80%減少したという。
記事によれば;
ChatGPTやPerplexityなど「AI検索」の利用が急増し、さらにグーグルまでもが、検索結果に代わり「AIによる概要」という要約をトップ表示させるようになったことで、SEO(検索エンジン最適化)など従来のマーケティング手法が通用しなくなっている。
AI search and AI overviews have changed everything.
(AI検索とAIオーバービューがすべてを変えた)
HubSpotのEVP、アンディー・ピートレの言葉
従来の、「言葉」による検索が影響するSEOの時代はもう終わり、AIに検索されやすくなっているブランドが新規顧客との出会いに有利となる。
これまで
人間とWebがダイレクトにやりとり
これから
人間 ⇔ AI ← Web
つまり、新規顧客獲得の主人公がAIになる。
たとえばヒップシートと抱っこ紐収納カバーのルカコ
は実店舗に来店してくれるお客さん、「ChatGPTに推薦されて」というひとが増えているそうだ。
ルカコの言葉
「実店舗
来店いただいたお客さんが
チャットgptで
試着できる店で聞いて
ルカコストアをgptが推してくれてるらしくw来店いただきました! そして増えてますw
育児わからん事はgptに聞くらしいですw」
ルカコは地道にコツコツ「育児」について取り組んできたのを知ってる。だから、テクニックではなく、商いの本道を積み重ねてきた結果をAIが評価しているわけで、これはとても良いことだと思う。
「じゃあ、ChatGPTにどうやったら知ってもらうのがいいの?」
という問いが出てきそうだが、これは試行錯誤するしかない。
ビジネスの種類によっても違うし、簡単に因果関係は解き明かせない。
ぼくはこれを「面白いじゃないか」とワクワクしている。
ちょうどインターネットが生まれ始めたころ、仲間たちと「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤した楽しさを、また味わえるわけだ。
まっすぐに立つ不安
カフカの言葉だ。
あれもこれもすべて答えが出ていると、「まっすぐに立つ」しかなくなる。
それって、不安なんだよね。間違いが許されないから。
AIが出現したおかげで、これまでの「正解」がすべてオールクリアになった。
何がまっすぐか、わからない。
だから楽しい。だからやりがいがある。
『新幹線大爆破』で一番感動したのは、JR東日本が組織全体で「わからないこと」の解決に取り組む人力(ひとぢから)。
涙出た。