がくちょこと仲山進也さんがアドタイで連載を始めた(→)。

決して身びいきではなく、面白い。

ここでがくちょは、ネットショップには自動販売機型と究極の対面販売型の二種類あると指摘

している。そして究極の対面販売型にこそ可能性があるという指摘なのだが、これはECに

限った話ではなく、すべての商売に必要なことではないかと思うのだ。

お金を始めとする経営資源に恵まれた大企業なら今頃になって音楽配信に参入(→)

といった眠たい遊びをはじめとして、「自動販売機型」ができるのだろうが、

そのような資源がない多くの企業にとっては、「究極の対面販売」をつきつめる

ことが結局のところ、一番の近道なのだ。

そして成果も出している。たとえばネッツトヨタ南国(→)の事例は「遠くの成功例」

なんかじゃない。今日すぐに真似できる近道なんだ。

その点、多くの経営者は目覚めていない。

外食産業やホテル業界がその典型だ。

客とじかに接するスタッフをコドモ料金で雇い、ろくな教育もせずに現場へ出す。

知識ない、マナーない、まともにコミュニケーションできない連中が「接客」する。

人に伴うエネルギーこそが売りのはずが、言葉遣い一つわからないアホを現場に出して、

そのくせちょっとマスコミが取り上げたら経営者は「業界のイノベーションをしたかったんです」

とか嬉しそうにインタビューに答え、セミナーしたりする。

昨日行ったおしゃれな全国チェーンがまさにそんな感じで、経営者はマスコミに出まくって

そしてセミナー講師もやってる。講師やるひまあったら現場へ出給え。

そのレストランは入口ドアがガラスばりで、中が見える。

人間のノーム(自然な、自動的な行動規範)だと右を押すか、引くかする。

ところがそのドアは左を「pull」するように小さな英語が書かれているだけ。

右をなんとかしようとしたぼくは爪を痛めた。

その姿、透明ガラスの向こうにいたエントランス担当の女性スタッフは知っている

はずである。ひいこらしてようやく店内に入ったら機械的に「いらっしゃいませ。

御予約はいただいていますか」

お前はクローン人間か。『クラウドアトラス』のクローン、ソンミ451のほうがよほど

愛嬌があるし、人間味あるぞ(→)。

そう、この店はすべて(1人だけ例外がいたが)クローン人間がフロアにいるのである。

そういう意味では、『クラウドアトラス』の2144年ネオ・ソウルのレストランを

この店は先取りしている・・・あ、だからマスコミが嬉しそうに取り上げるのか。

別の見方をするなら、そういう取り組みをしている店が少ないからこそ、

究極の対面販売をする店は、繁盛することができる。

人に伴うエネルギー、注ぎ込もう!

『クラウドアトラス』パンフレットより。2144年ネオ・ソウル

『クラウドアトラス』パンフレットより。2144年ネオ・ソウル