あなたも講師になれる!vol.18

・・・テレビに出ても、しっかりしたネタを持っていなければ、それこそ消しゴム

のように捨てられてしまいますからね。「あの人はいま」といった番組に出るよう

になってしまう。売れた人は必ず売れなくなるというのが厳しい現実なんですよ。

だから、長く人気を保っている芸人は、必死になって勉強していますよ。

たけしさんにしろ、さんまさんにしろ、すごい精神力を持っていると思いますね。

─ 綾小路きみまろ『有効期限の過ぎた亭主・賞味期限の切れた女房』PHP文庫版

p.143-144

ポッと出の講師なんてものは、誰でもなれる。

歌手の一発屋みたいなもので。

瞬間講師。

でもね、講師として長く続け、継続講師となるためには、やはり

勉強しなければならない。

勉強もせず、何の準備もなく、ただ講師になったら簡単に儲かる、という

のでは、はなはだ不勉強といわざるをえない。

引用した綾小路きみまろの本、たまたま出張先の名古屋で、宿泊先ホテル近所の

コンビニで発見した。

手元にあるのは発売6年で57刷です

手元にあるのは発売6年で57刷です

以前から本があるのは知っていたが、彼のギャグは活字で読むものじゃないな、

と思っていたので手を出していなかったのだが、立ち読みでよく見てみると、

「講演」と「半生の記」の二部構成になっている。半生の記が勉強になる。

だから買って、読んだ。やはりすごく勉強になった。

もちろん「企業秘密」だろうから、どうやってネタを発想するとか、

そういうのは書いてない。

でも、最初司会者を目指して上京するも、回り道、回り道して

キャバレーの芸人になり、次に、桜田淳子、森進一、小林幸子などの

歌謡ショーの司会をやり、一人立ちし、ある程度成功もおさめたのに

落語家鈴々舎馬風師匠に弟子入りし、高座で漫談を始め・・・

と、すべてが芸のため。

芸人道とも呼ぶべき生き方、あり方が、すっごく勉強になった。

元気の出ない時、「よし、ぼくもやるぞ!」とエンジンに点火してくれる

ユンケルみたいな本だ。