90年代半ば、企業がPCを一人一台配布したのち、

まず社内イントラネットを構築、出張精算や社内メールに利用した。

それから少し遅れて広いWebの世界へのドアを開け、

そうしていくうちに企業の壁が太い実線から破線へ、そして点線、

ついにはまったく透明になっていく・・・・かに思え、97年頃、

Toshiさん、pacoさんたちと知恵市場を創業したあたりでは

そのような未来を予言していたのだが、現実はそうはならなかった。

いわゆる「社内チクリ」は増えた。現状、多くの企業不祥事は、

そのほとんどが社員による外部への意図的な情報漏洩であり、

その意味では社内外の壁は低くなった。

でも、マネジメントOSが、「管理と効率」を聖書にしている

限り、企業はWebやネットの本当の力を利用しきれていない。

Webの世界は1.0から参加型の2.0へ(この予言は当たった。

お祭り型市場として、2000年に言っている)移行したにも

かかわらず、マネジメントの聖書は未だに明治時代と変わっていない。

企業幹部は、ネットの潜在力を、「電子メールとホームページと検索」

くらいにしか理解していないのではないか。

ここに社員の「働きにくさ」が生まれる原因がある。

・・・・と、つらつら問題意識を書いてみました。

ネットの本質は「非管理と混沌」であって、きっとこれからは

「管理しない経営、中心のないサイバー組織」が本流に

なっていくのだろうね。そしてその時重要になるのは

社員一人ひとりが「自分が主人公」という主役意識であって、

そうなって初めて、「本気のボトムアップ」、

「経営の民主主義(management democracy)」

が生まれるのだろうね。

既に、業績良いビジネス2.0移行企業、たとえばPixarなんかは

このようなマネジメントスタイルになっている。