まさに「ミスター・商売人」というすごい人とお目にかかることができた。

『ライトハウス ハワイ』込山雄三さんのご紹介だ。

「まきの茶屋」「マキティハワイ」(→クリック!)オーナー牧野通さん。

開店を2週間後に控えた店内で

開店を2週間後に控えた店内で

牧野さんは、今月15日に、ワイキキのど真ん中にマキティハワイという、

「ずばぬけてとんがった」シーフード&スイーツバッフェを開店する。

朝食には岡山は湯原温泉旅館「八景」自慢の山里のおいしい和朝食、$14.98

ランチ 寿司、天ぷら、おでん、鶏の唐揚げ、鉄板焼ビーフ、カニシュウマイ

などの点心、サラダバーなどワイキキ一のメニューバリエーション、$14.98

アフタヌーンティ 台湾茶セットが飲み放題 $5

日本人パティシェ5人が腕をふるう豪華スイーツが35種類 $14.98

ディナー カニ、ロブスター、うに、いくら、鉄板焼ステーキ、江戸前寿司「雅庵」

$32.98

しかもカアマイナ(地元在住のロコ)は20%OFF、パーキング2時間1ドル・・・

これはもう、ワイキキの飲食店におけるイノベーション以外の何ものでもない。

価格が低価格だというわけの話ではなくて、まさに、「市場の白紙を埋める」

自らフィールドを作る、素晴らしい戦略である。

30年前からアメリカでビジネスをし、50店舗を開店させ、そのすべてを成功

させ、「ミスター行列」と呼ばれてきた。

ハワイへの進出は既に成功させていて、アロハタワーという、集客力の弱い

ゾーンに出店し、お弁当屋さんをやって、大成功している。何しろ一日に

売れる量がケタ違いなのだ。

牧野さんは、言う。

「ホノルルは、東京24区だと考えています。都内は、コンビニで300円もあれば

おいしいお弁当が食べられる。ホノルルにいる日本人観光客は、そういう価格と

バリューに慣れている。ここはハワイだから高くしました、は通らない。また、

やはりローカル(地元)の人に支持されてこそ。これまでもそうしてきたし、

これからも大事にしたい」

そうなのだ。ワイキキは、とにかく高い。

レントが高い、毎年値上げされる、などの理由はあるにせよ、

いくらなんでも高すぎる。ラテのショートサイズと人差し指くらいの

スイーツを一個買って8ドルなんて、ザラだ。あり得ない。

ロコたちは、ワイキキに行こうなんてサラサラ思わない。

「どうせ、ツーリスト相手の価格でしょ? 高い、高い」と。

また、牧野さんは日本食における「まだだれも手をつけていない白紙」

を次のように発見している。

「日本食は混雑に弱い(客が混み合ってきたら弱い)」

「お寿司と天ぷらをオーダーして、一緒に出てくるのが稀だから、

お連れのだれかが待たなきゃならなくなる。

だったらバッフェにすればいい」

「日本食ほどバラエティに富んだものはない」

20年ほど前、LAで出店していた時、下の階に、当時まだ小さかった

フォーエバー21があった。牧野さんの店で食事した客が帰りに下階の

フォーエバー21で買い物して帰る。

Thanksgivingの前日、フォーエバー21の社長が、牧野さんの店に来て、

「マキノ、明日、営業する?」

「やるよ」

「じゃ、うちも店、開けるかな・・・」

といったエピソードもあったという。

牧野さんの店の前にサーティーワンアイスクリームがあるが、牧野さんの

店の出店後売上が20%アップしたという。

そんなこんなの伝説がある牧野さんは、久しぶりに会う「本格派投手」

「直球170キロで勝負する」経営者だ。変化球など、全くない。

牧野さんがやろうとしていることは、「ワイキキのレストランのイノベーション」

である。

レントが高い、損益分岐点が高い、水面が高くて、アップアップ、ここで

やるビジネスほどきついものはない・・・・ワイキキの普通のレストラン経営者は

いつもこれらの「悩みの虫」に悩まされている。わかる。

「だからダメ」・・・じゃなくて、牧野さんは、「だからチャンス!」と考える。

ミスター商売人の面目躍如たるところである。

10月15日の開店をこの目で見たかったのだが、その日ぼくは名古屋にいる。

名古屋から、応援のエールを送ろう。

ちなみに、キティちゃんとのコラボレーションは初めてで、どういう効果を

もつのか、全くの未知数という。

また、牧野さんから学びたいのは、そのイメージング力。

開店初日の、行列が通りのどのあたりまで来るか、いつもイメージ

している。そして、人間の多くの営みと同じように、イメージは実現する

のだ。それが都合の良いものであれ、悪いものであれ。

イメージは人間の都合なんて知ったこっちゃないから、イメージ

した通りに実現する。これはすごいパワーだと思うね。