りんごの木村秋則さん『すべては宇宙の采配』を読むと、

木村さん、普通にUFOと出会い、出会うだけではなく拉致

されて乗りこんでいる。この話、『奇跡のりんご』にも載っていた

らしいのだが、ぼくは忘れていた。

実はぼくもUFOを見たことがある。

何年前だか忘れたが、出張先から家に電話したら、家人が

「UFOが来ている」という。

「んなバカな」とそのときは思っていた。

でも、家人はその類の冗談を言う人ではない。

ひょっとしたら・・・と思っていた。

翌日夜、出張から戻り、風呂に入っているとバタバタバタと

家人が二階から下りてきて

「また来ている!」

ぼくはあわてて裸のままバスタオルだけ巻き、二階に

上がった。東側の窓を見る。雲は低くたれこめており、

星は一切見えない。その雲が広範囲に光っていて、上方から下へ

光の帯を何本か、放っている。

ほら、よく、ビルから照明帯が空に向け放たれることがあるよね?

その逆だ。

方角は、三浦半島のど真ん中あたりであり、どう考えても

そのへんには光を出すビルはない。

しかも、いま、目の前にある光帯ははっきりと、上から下へ向かっている。

半径は大きい。おそらく1キロはあるだろう。

半径1キロの円が雲の向こうに光っているのである。

音はしなかった。

宇宙人も、残念ながら、やってこなかった。

でも、実はぼくも家人も「拉致」されUFOに連れられ、

いろいろ調査されたり尋問されたりしたのだが、

記憶を消去されてしまっているだけなのかもしれない。

季節は秋だったと思う。そう、ちょうど今頃の季節だった。