あなたの頭に、突然ひらめきが生まれた。

「バンド、やりたい! ギター弾きながら、ステージ狭しと走り回りたい!」

多くの人は、まず、ギターの練習から始める。

手頃な価格のギター買って。教則本買って。

コード覚えなきゃ。

C、簡単。Em楽勝。指2本。簡単。

え? なにこれ。セーハっての? 指、しんどいやん。F難しい!

これはなかなか・・・

年月幾星霜。

足腰が弱ってしまい、ステージ狭しと走り回るどころか、部屋広しと思えるほど年老いてしまった。

「バンド、やりたかったんだけどねー」

ぼくならこうする。

まず、自分が一番気に入ったギターを買って(値段無視)、バンドを組み、ステージに立つ。

ギターの腕前? 知ったこっちゃない。

自分がやりたいから、やる。

パーミションマーケティング』翻訳。

翻訳経験、ゼロ。

原書あたまからしっぽまで読み通した経験、ゼロ。

「この本を日本に紹介するのは、ぼくしか、いない」

という思い込みしか、なかった。

思えば、起業もそうだった。

まじめな人は、まずビジネススクールにでも通って、経営の何たるかをしっかり学び、

資金貯金もコツコツして、目標金額が貯まってから、会社をつくる。

ぼくは会社を辞めた翌日、ニューヨーク行きの飛行機に飛び乗った。

会社員時代の名刺は全部捨てた。

自分が弱いことを知っているから、困ったら取引先に頼るにきまっている。

そんなみっともないことはできない。

ともあれ、ニューヨークに渡ったものの、お客さん、ゼロ。

資金、ほぼゼロ。

人脈、ゼロ。

起業に必要な「月と六ペンス(情熱とお金)」のうち、あるのは月だけだった、

でも、それで良かったと思う。

外的条件が整うのが大事なのではなく、内的動機が重要なのだ。

つまり、JOYWOW動機、自分の存在が喜ぶ動機。

そもそも何かを始めるのに、キャンプの準備よろしく

これとこれとこれとこれが揃ったら、

という外的条件なんか、事前にわかるわけない。

ということで、人生に設計は、不要なのである。

NYにて 2000年4月頃

NYにて 2000年4月頃