そのレストランに一歩入ると、足元にバラの花が一杯。

前菜が始まると、氷でできた長い容器になみなみと日本酒を満たし、

アワビをそれに漬けて、風味をつける。

その後日本酒を捨て、今度は白ワインを満たし、さっきのアワビを

浸す。

前菜が終わったらメイン。

メインは隣の部屋でいただくのだが、ドアを開けた途端、ドライアイスの

スモークが。

まるでバブルであり、ぼくの趣味ではない。

あ、行ったわけではなく、テレビで見たんだけどね。細かいところ、記憶に頼ってる

から違うと思いますが。

何が言いたいかというと、バラの花、氷に満たす日本酒、白ワイン、

ドライアイス・・・これらバブリーな演出小道具の費用はすべて顧客への

請求金額に入っているということであり、わしなら、要らん。

むしろ料理本人で勝負してほしいなあ。

ステーキなら、塩で味わいたい。へんてこなソースは要らない。

フルーツたっぷりのどーのこーのという創作ソースなんて要らない。

内容勝負。質実剛健。なぜなら、負担するのはいつも顧客だからだ。

それで思い出すのが、ある住宅会社のコマーシャル。

毎回出演者が決まっていてドラマ仕立てになっているが、

住宅とは何の関係もない。それでも住宅や新しい暮らしへの夢を

ふくらませてくれる内容ならともなく、まったく違う、ただコミカルな

だけ。出演者も好きで、コマーシャルの内容自体は好きだけど、

でもさ、ぼくがもしあの会社の住宅購入者なら、見るたび胸がざらつくと思うよ。

だって、自分の支払っている住宅ローンでこのコマーシャルが制作されているんだから。

住宅を買う人は、住宅というハードウェアを買っているのではなく、

住宅ローンという金融商品を買っている。

その金融商品が化けた先にあのコマーシャルがあるとすれば、

やはり哀しいのではないだろうか。

それに対してキムタクやたけしが出てるトヨタのコマーシャルは、

東京や日本の未来について思わせる、時空をまたぐスケールで、

いつもちょっと(ほんのちょっとだけど)考えさせられる。

あのコマーシャルなら、トヨタ車を買った人は納得するだろうし、

これから車を買おうと検討している人にとっても「好感」を

訴求すると思う。

今朝の夏空。いいねえ

今朝の夏空。いいねえ